パトリシアのマスターの石田が静岡市内にある某コンカフェ店長さん(匿名希望)と対談を致しました。
2023年1月某日20時頃、静岡市・両替町のとあるバーで。
《何がきっかけで?》
マスター「何にしましょうか?」
石田「じゃあ、烏龍茶で(車なので)」
店長「ぼく、パインジュース。パインジュースが定番になってきてます」
石田「(お酒)飲んでいいですよ」
店長「僕、飲まないんですよ。飲めないわけじゃないんですけど、ほぼほぼ飲まないですね。そんな人間が両替町でねぇ、お店のアレをやってるんで、なかなか……。で、料理人も飲まないんですよ。女の子っちも飲む子そんないないから」
石田「意外とみんな飲まないんですね。」
他のお客さん「飲まない人のほうがいいですよ。お金かかるし」
店長「そうなんですよねぇ〜」
マスター「飲む楽しみもありますよね」
店長「ある!ある!それがわからないというのが、お店やってる側の人間としては致命的なんすよ」
石田「そうですね」
店長「なんか、わかるんだけど、本当の意味でわかってあげられないみたいな。」
店長「Lista(リスタ)に行かれてたと聞きましたが、もともとメイドカフェが好きで始めたんですか?」
石田「もともと東京に居たんですよ。生まれは静岡なんですけど、大学に行くに当たり東京に行って、10年ちょっと東京に居たんですけど、そこでメイドカフェにハマり、で、こっち戻ってきて、最初、清水のエリスパ(エリカ・スパルサ)に行ってたんですよね。そこをメインで行ってたので、正直リスタはそんなに高頻度で行ってたわけじゃないんですよね。で、○○さんがエリスパ卒業したとき、僕も離れたんですよ。」
店長「○○さん推しだったんですか?」
石田「推しってほど……いや、でも、そんなに……どっちかって言うと……いや、すごい推しというわけでは、なかったですね。」
店長「すごい推しが居たんですか?
石田「すごい推しはこっちでは作らなかったですね。」
店長「こっちでは作らなかった」
石田「向こうだと、もう、卒業式にスタフラ(スタンドフラワー)ひとりで出したりとか。」
店長「あぁそうなんですか、けっこう凄いじゃないですか。向こうではどういったお店に行ってたんですか?スタフラ出せるぐらいのお店だから……」
石田「いや、でも、メイリッシュですよ」
店長「メイリッシュかぁ」
石田「ほぼほぼメイリッシュで、たまに気絶とか、気絶わかります?」
店長「えっと、湯島の」
石田「湯島の」
店長「確かにルーツ的にはそんな感じがしますね。めいどりーみんとか言われたらどうしようかと思ってました」
石田「(笑)そしたらパトリシアも萌え萌えキュンしてたかもしれませんね。たまにシャッツキステ行ったりとか、ワンダーパーラー行ったりとか」
店長「完全に系統一緒ですね。メイリッシュさんも結構行ってましたけど、一番最初は橙幻郷さんだったんですよ」
石田「橙幻郷さんですか???そうなんですね」
店長「まぁでもカテゴリー同じじゃないですか」
石田「同じですね。まぁだいたい同じお客さん居ますからね。どっち行っても。」
店長「あとはキュアメイドカフェとかね、どっちかって言うとおとなしい系のところが好きで」
ここでドリンクが出てくる
店長「じゃあ、お疲れさまです」
石田「お疲れさまです」
乾杯するふたり
店長「僕のルーツ的には、僕はバイク小僧だったりハイキングが好きだったり。デュラララ!!ってアニメわかります?」
石田「ちゃんとは見てないですけど、池袋が舞台の」
店長「アレ見て最近のアニメはすげぇなぁ、デュラララ!!を題材に静岡を舞台にバイクで走る同人のラノベでも書きたいなぁと思って、その中にメイドカフェを登場させたかったんですよ。作品に登場させるならメイドカフェがどんなものか知りたくてアキバに行ったんですよ」
石田「なるほど」
店長「それで1日に8件ぐらいメイドカフェ巡って、こういうとこかぁって、自由度も高くて雰囲気も良くて老舗でいいなって思ったのがきっかけですね」
石田「最初は同人活動の取材目的で通ってたということだったんですね」
店長「同人活動と言っても、同人活動なんてしたことない人間なんで、結局それもしなかったし」
石田「そうなんですね」
店長「頭ん中にあっただけで、もう、それは全然途中なんですけど、そんな感じですね」
石田「なるほど」
店長「それから前に働いてたところを辞めて自分で独立開業してメイドカフェやってみたいなぁって、なんかわかんないけど思っちゃって、で今の○○が当時は居酒屋だったんですけど、フードの修行するのにいいなぁと思って入ったのがきっかけで」
石田「そうなんですね」
店長「それで、なんか居酒屋が下火になってきて、で、週末だけでいいからメイドさん雇って(メイドカフェ)やりましょうよって会社に提案したらそれが採用されて、自分は週末だけって言ったつもりだったんですけど、それがガラッと毎日やるようになり、店長になっちゃって、それまでずっと配達とかしてたような人間なのに。自分今年で41とかなるんですけど、違うわ、42だ。なんですけど、39とかそれぐらいまで両替町にも縁がなくて、飲み会とかで行かないし、飲み会行く人間じゃないし」
石田「そこから両替町のあのところでやるのって結構アレですよね」
店長「まぁでも歳取ってるからいろんなことに鈍感になってるから、できたんだろうけど。人付き合いとかもそれなりにしてきて、社会経験もなきもしにあらずだから」
石田「ほぅ」
店長「まぁ、でもあれですよ、メイドカフェの筋金入りのオタクというわけでもなく、好きには好きですけど、そういうのの経験もあるわけでもなく、酒も飲まず、飲食店もバイトでちょこっと働いたぐらいだから、そんな人間がゼロからスタートして、今ある程度のところまで来たんですけど……、結構ここ一年の、パトリシアさんのこともあまり知らなかったですからねぇ」
石田「あぁ〜」
店長「パトリシアさん、cafeふぉれすとさん、……le charrose(ル・シャルローズ)、のことも知らなかったぐらい。開いてやってたら『こんなんあるんだ』って思って、静岡にはハピド(HappyColorDoll)、エリスパ、ミアカフェぐらいしかないと思ってたんで」
石田「でも、最初そうだったんですよね」
店長「最初そうだったんですよね」
石田「ここ1、2年の中で急に出てきたんですよね」
店長「全然知らなくて、だからブームに乗っかってとかじゃないんですよね。やりたいからやる!みたいな。全然売上とかいくらで目処が立つとか、そんなん全然知らなくて、上司はその規模でやるならこれぐらいかなぁとか数字出されるけど、それ言われてもわかんないですから。出せるかどうかもわかんなかった」
石田(笑)
店長「なんでパトリシアをやろうと思ったんですか?」
石田「そうですね。東京で働いてて、うまくいかなくて、こっち戻ってきて、仕事探すのとは別で、なんというか、自分の……う〜ん……上の人が……え〜っと」
店長「わかりますよ!自分も、それがねぇ、独立開業したいっていうのは共通のアレなんで。」
石田「なんかそんな野心的なっていうよりかは、そういう(働き方)のじゃないと自分は難しいんじゃないかなという消極的な理由で始めておこうかなぁという」
店長「人間ねぇ、ずっと支配され続けてたりするとストレスたまりますもんね」
石田「そんときに、メイドカフェがエリスパさんぐらいしかないなぁって。エリスパさん萌え系というわけではないですけど、ミニスカートでふりふりして可愛い系なので、それだったらロングメイドでいけば被らないしいいかなと思って始めたんですけど、ロングメイド好きな人って静岡にそんなにいなかったっていうのが……」
(石田メモ)
たぶん僕は「会社からの評価だけが自分の価値のすべてという状況にしたくなくて、それとは別のところで自分を評価してもらえたり自力でお金を稼げたりするチャンネルを作っておかないとと思ってパトリシアを作った」と言いたかったのだと思う。たぶん。
《推しとか売上とか》
石田「コンカフェ好きな人達はやっぱり”コンカフェ”が好きなので、そもそもうちに来ないし、来ても1、2回で来なくなっちゃうから、やっぱり推しを求めてきてるんだろうなと感じてて、そんなにうちは推しって感じでもないかなぁと」
店長「そういうのはやりたくなかったってことですかね?」
石田「まぁ、でも僕の中では最近、推しは有りだとなってきたので……」
店長「というか推しがなかったとしても、チェキを始めた段階で個人オーダーじゃないですか、その時点で、チャージ料もとってるんでしたっけ?」
石田「今はとってますね」
店長「チャージ料とって、個人オーダーがある時点で、お客さんはこの人がいるから行こうとなるので、もうそこが推し文化の始まりですね。うちも最初は推し文化なかったんですよ。チャージ料とってなかったし、みんな誰がいるかとか関係無しできてくれてたんですけど……。推し文化になってっちゃうのかなと」
石田「そうですねぇ」
店長「ただその推し文化でその子のためにバンバン出すってほうが売上的にはいいのかもしんないっすけどね。推し文化ないと自分のオーダーしかしないから……。売上的なことを話すなら、自分の中では(コンカフェ・メイドカフェは)営利と非営利とわかれてて、うちは完全に営利団体だから、稼がなきゃいけない、黒字じゃなきゃいけないんですけど、そうじゃないお店の話を聞くと、ガッカリするというか」
石田「道楽的な」
店長「推し文化とか、最近のコンカフェ、ガルバみたいなところ以外は成り立たないのかと思うと悲しい。パトリシアさんの場合はこの前のツイートを見ましたが、売上のことを考えてるから、そういうの考えてるなぁ、話ができるなぁと思って」
石田「○○さんはあの場所で週6でやってて、しかも上にも収めないといけないですよね?」
店長「そうですね」
石田「○○さんのところとはかかるお金は全然違うと思うんですけど、それでもパトリシアでも多少はかかるんですね、で、その多少の部分を僕の本業が全然稼げてないので、それでも最初は賄ってたんですけど、やっぱりキツイなって思って、せめてパトリシアはそういう面で自立できるぐらいのところにしないなと思ったのがひとつ、あともうひとつは、暇だとメイドさんのモチベーションが下がってしまうので、一応、パトリシア的には会社の目標として日本で一番働きたいと思ってもらえるメイドカフェにしようみたいなのを掲げていて、なのでモチベーション下がるのは一番まずいなと思っていて」
店長「きつくても自分を表現できるといいですよね。」
石田「結局そうなると求人の応募数も上がってくるから、こっちが選べるメイドさんの質も高くなって、結局店が儲かるという」
店長「結局どんなに頑張っても辞めちゃう子は辞めちゃう。若い子だから結婚しますとか、県外行きます、就職しますとかで居なくなっちゃうのはしょうがないことなんですよ。それでも新しい子がバンバン入ってくれれば成り立つから、そこで大事なのは集キャスト力。経験者なら最初からお客さん持ってるし。働きやすいで有名になるとそういうので有利ですよね」
石田「そうですね」
石田「逆にその、店長さんとオーナーさんが別だったからこそ、やっぱ、メイド喫茶って趣味とかこだわりに走りすぎちゃって、そこでビジネスとして失敗しちゃうケースとか、みんなツイッターで変なことツイートしちゃうとか」
店長「趣味に走りすぎるか、ビジネスに走りすぎるか」
石田「たぶん、そこのいいあんばいを店長はやれてるんじゃないのかなと。たぶんやりたいことをやりながらも、求められていることを応えてっていう」
店長「まさにですね。もともと独立開業してやりたいと思って修業の場として意味合いもあるから、結果を見てみたいんですよね。一回売上をだして、利益を出すというのをどういうものかを味わっておいたほうがいいじゃないですか」
石田「そうですね」
店長「そういう意味でやってるのもあるし、僕バイクやってたこともあって、バランス型の人間なんで、バランスをすごい意識してて、それが良かったのかと思うんですけど。良かったなんて言っても今後いつ転落するかわからない」
石田「いやいや」
《メイドというカテゴリーについて》
店長「僕自身はそんなにこだわりがないほうなんで、別にメイドじゃなくても良かったじゃないですけど、メイドに変わるものがあれば……、でも、ガールズバーとかガールズ居酒屋はやりたくなかったんで、今集まってくれてるキャストさんもそうだから。メイド以外にも何かがあるならそっちでもよかったぐらいのこだわりの弱さ、だからそんなにめちゃくちゃこだわってるわけじゃないけど、メイドさんという存在は、ロングメイドだろうが露出がある程度あろうがカテゴリーとして偉大っすよね。」
石田「そうですね」
店長「メイドさんと言ったらガルバにいるような子じゃなくて、おとなしくて、近づきやすくて、話しやすくて、オタク趣味もあったり、それがねぇ、メイド以外でずっと探してはいるんだけど、ないんだよね」
石田「そこはメイドが一番ですね。話しかけやすいですよね」
店長「そうなんすよね。説明しなくてすむっていうか。もともとメイドカフェ好きの人も行きやすいだろうしねぇ。まぁ、デメリットもあるとしたら、あっとほ〜むカフェの萌え萌えキュンの知名度が高すぎて、最近の20代前後の若者もメイドと言ったら萌え萌えキュンの偏見があるんですよ」
石田(笑)
店長「それで恥ずかしいよってなって入ってくれない。パトリシアさんもぜんぜん違うじゃないですか。うちもそんな萌え萌えしないし」
隣のお客さん「メイド系ってバーより敷居高いですよね」
店長「やってる側からすると、バーより低いようとは思うんすけどね」
隣のお客さん「めっちゃ緊張しそうだよね」
店長「文化がもう全然違う。入ってくる人も緊張してる人もいれば、ここは何してくれんの?さぁここからどうやって楽しませてくれんの?とか言われると、そんな出てこない。そんなアトラクション的なものもないし。でもこっちはお客さんの要望とかワクワクに応えてあげたい気持ちもあるけど、それができないのがもどかしいっすねぇ。まぁ、ゲームとかを一緒にするのもあるけど」
隣のお客さん「へぇ〜そういうのあるんですね」
店長「ありますね。でも、常連のお客さんはそういうの求めてなくて『おかえりなさいませ』も求めてないし、ただ美味しい料理があって話せればいいみたいな。それの需要がもっと広まってくれればいいんすけど」
石田「それこそ推しの子を推したりとか、あと、そのお店に所属しているような感じがお客さんにはあると思うんですが、そういうのを楽しんでる感じがありますよね」
店長「来られたい人からしたら、推しがあそこにできたからもうそこにしかいかねぇみたいな、バイクとかもあるじゃないですか、ホンダが好きだから、俺はスズキやヤマハはのらねぇぜって、いいじゃん乗れば、契約ライダーじゃないんだから。意外とオタクの人こだわり強くて」
隣のお客さん「やっぱり強いんですか」
店長「強いですね。引っ越すとか言うんです。自分はここのお店がホームだからって。別に好きなところに行けばいいがなって」
隣のお客さん「メイド系って行っちゃっていいのかなってすげぇ思うんです。紹介とかないとだめなのかなとか」
店長「全然いいです。むしろ新規の人来てくれたら嬉しいです」
隣のお客さん「本当に?じゃあマスター今度行こうよ」
マスター「なんで俺が」
一同 (笑)
《新規の集客について》
店長「昔はメイドカフェ好きな人、両替町とかでガルバとか好きな人、って2つぐらいで考えてたんだけど、それだけじゃもう来ないなと思って、そこらへんのガルバとかが獲得できないような空白市場なのかわからないんですけど、そこらへんの層を集めたいと思っていて」
石田「そうなんですよね。自分たちでやっぱりお客さん開拓していかないと」
店長「1店舗のお客を増やすんじゃなくて、全体的なお客さんを増やしていかないと。コンカフェというものの知名度は上がってきているけど、まだまだだし」
石田「パトリシアは最近東京から来てくれる人が増えました。1回やれば1人は誰かしら来てくれるようになりました。やっぱりオタクは行動力がすごい」
店長「年末年始は特にそうですね」
石田「そうですね」
店長「なんかね、ツイッターとかで全国のメイドカフェ巡りとか有名な人とかいますもんね。他県からわざわざ行ってみたいって言って来てくれるってそれが理想ですよね」
石田「なんかSNSを使って集客するときに、静岡の人に向けて発信しようとしたとき、こっちからエゴサみたいなことして、フォローするぐらいしかやれることがないと思ってて、だったら関係なく分母を広くなるようなことを発信して、その当たった何人かの中に静岡県民がいればいいなみたいな感じで」
店長「そうですね。そういうので広まっていけば、近場の人に届くこともあるだろうし」
石田「それこそ県外のオタクですごい刺さってくれれば来てくれることもあるだろうし」
店長「すごい行動力もあろうだろうしね。女の子目当てで愛知から来てくれてたお客さんがいたんだけど、けっこうお金使ってくれましたね」
石田「わざわざ来たからこそ使わなきゃという思いもあるでしょうね」
店長「石田さんはあれですよね。お店のアカウントと違って個人のアカウントもあるじゃないですか」
石田「はい」
店長「アレいいですよね。代表がどういう人か人となりが知れるわけで」
石田「やっぱりお客さんはそこわかってから皆さん来てますよね」
店長「他店の弱いところはそこなんですよ」
石田「やっぱり女の子を推したいだけじゃなくて、店も推したいから、店の人格みたいなところをしっかりしてないと」
店長「アイドルとかもやっぱりそうで、オタクは女の子が好きだけど事務所が嫌いだから行かないみたいな」
石田「女の子が好きだからこそ、そこの店にはちゃんとしてて欲しいとか」
店長「そうなんですね。好きな女の子いなくなっちゃったら、絶対行かなくなっちゃうだろうし。やっぱり誰々推しの人が誰々が卒業しちゃったあとに、もう来なくなっちゃうかなと思ったけど、しばらくしたら来てくれたときにすごい嬉しいですもんね。あぁお店として選んでくれたんだみたいな」
石田「そうですね」
ここから2時間ほどおしゃべりをしましたが、すべてを書くとかなり長くなるのでとりあえず今回はここまでのさせていただきます。